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第20回 池谷のぶえさん

むしろこっちが人生相談したい気持ち満々のコラム、「池谷のぶえの人生相談の館」です。

はやいもので、私ごときが人さまの人生相談に乗りはじめてから20回目となりました。
恐縮とともに、めでたいですね。

めでたい時には、お祝いでマンションの一部屋などもいただけるのが世の中のシステムだと思ってきましたが、どうやら人生というものはそうでもなさそうだ…ということがやっとわかってきた昨今です。

めでたい時でさえマンションがもらえないなら、今後の人生いつもらえるというのでしょう…途方に暮れることばかりですね。

そんな想いで、「誰か私の人生相談に乗ってくれる人はいないのか」と真夜中にツイートすると、「相談相手を間違えて相談してもらえるのを待ってます」と、ブルー&スカイからの返信。

「じゃあ、来月の人生相談コラム書いてくれる?」と返すと、「でも飲み屋で相談していただき僕は黙ってうなづき続ける感じのがいいです」との返信。

酒を飲みたいだけじゃねーか!!

そんな都合のいい相談なんかぜってーするものか。

ということで、ブルー&スカイくんにコラムというリスクを負わせました。
「池谷のぶえの人生相談の館」20回記念、池谷のぶえさんからのご相談です。(回答:ブルー&スカイ)

※ブルー
いつも誰かの人生相談をしている池谷さん、連載20回目おめでとうございます。おめでたいからなのか理由は分かりませんが、今回は僕が池谷さんの人生相談に答えるということになったようで……自分には荷が重いですし……なにも池谷さんも僕に本気で人生相談をしようとは思っちゃいないはずですが……でも、だからこそ、予想に反して池谷さんの抱える悩みを僕がこの場で見事に解決して「全然期待してなかったのに、お前のおかげで人生がバラ色になったよ!」と感謝されたい、そんな野望が意外にも今の僕にはあります。今回は本気で悩みを解決するつもりなので面白みには欠けると思いますが、これで池谷さんは完全に悩みから解放されるわけですから、そのへんは別にいいですよね。 ということで、解決を求めてきた池谷さんからの相談内容です。

*****

将来、野垂れ死ぬ未来しか見えないので、あまり長生きはしたくありません。そこで、私の寿命のあまる分を、長生きしたい方々に分配できないだろうかといつも考えます。その方がお互い幸せだからです。どうやったら寿命を分けられますか?

お芝居をすると、褒めてもらえることも多いのですが、どうにも自分がやっている気がしません。なので、自分が褒められている気があまりしないのです。いったい誰がお芝居をしているのでしょうか?

気がつくとブスです。ブスだと思わなくて済む方法はありますか? 

池谷のぶえさん(女優)

*****

まず真っ先に僕が思ったのは、この件は今度お酒を飲んだときにでも話しませんか? ということです。自宅もそこそこ近所ですし、19時くらいから飲み始めれば、終電まで5時間以上飲める計算です。もし池谷さんが翌日仕事などなければ、23時くらいから 飲み始めて始発で帰るのもいいですね。僕が池谷さんに相談事があって、何度か僕から池谷さんに「飲みませんか?」とメールして飲みに付き合ってもらったことがありますが、特に相談事がないときに「飲みませんか?」とお誘いするのは「こっちは今お前と飲んでる場合じゃねーんだよ」と思われそうで躊躇してしまいます。相談事があるときはすがる思いなのでついメールしてしまうのですが。お酒を飲むこと以外に何の用件もなくても僕の方は17時から朝までという流れでも大丈夫です。それだとさすがに長時間過ぎるというのであれば、途中からカラオケに行くのもいいと思いますし……と、このまま池谷さんの人生相談を忘れてしまうのも1つの手なのでしょう。でも前半に書いた野望とやらをもうすっかりなくしている僕ですが、一応最後に少しだけ池谷さんの相談に答えます。

長生きしたい人に寿命を分けるには(長生きしてほしいですが)、全国の麻薬の類を買い占めて自分で使ってしまえばいいかと思います。世に出回る違法の薬物が少なくなれば、それで命を落とす人が減って自分の寿命も大幅に短くなるので、結果的に多くの人に寿命を分けたことになるのではないでしょうか。

誰がお芝居をしているのか? ということについては(池谷さんですとしか言いようがないですが)、今後は舞台であれば暗転中にしか登場しない役、そしてセリフは一切喋らない役しかやらないという条件でしか引き受けないようにすればいいかと思います。暗転の中どれだけ無言で凄い演技をしても、それは誰もお芝居をしていないのと殆ど変わらなくなるのではないでしょうか。 

ブスだと思わなくて済む方法は(ブスではありませんが)、お風呂を月イチにすればいいかと思います。臭いんじゃないかということにばかり気にとられて美人だとかブスだとかについて気を煩わすことがなくなるのではないでしょうか。でも実際に臭くなってしまうのは嫌だということであれば、週に1回くらい僕と飲んでもらえれば、そのときに僕が責任を持って確認しますので、臭ければその日は風呂に入ることにすればいいと思います。できれば韓国料理屋ではないけれどマッコリを置いてある居酒屋を希望します。食べ物はまずくてもまったく気にならないタイプです。
※ブルー

結局、酒を飲みたいだけじゃねーか!!
店まで指定しやがって!!


■ラッキー待ち受け
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酒を飲みながらうなづいていたいだけだったのに、コラムを書いていただきありがとうございました。相変わらず、面白い文章を書くね。本人は大したことだと思っちゃいないのだろうけど。
「全然期待してなかったのに、お前のおかげで人生がバラ色になったよ!」
と言いたいところでしたが、「写真(ラッキー待ち受け)って必要ですか?」
と、送られてきた写真で、そんな気持ちはみじんもなくなりました。


【筆者プロフィール】
pro_iketani 
池谷のぶえ
いけたにのぶえ94年より04年の解散まで劇団「猫ニャー」の劇団員として活動。解散後は、ケラリーノ・サンドロヴィッチ作品、NODA・MAP、蜷川幸雄演出作品など数多くの舞台に出演。

[出演情報]
【舞台】
「ゲゲゲの先生へ」(原案:水木しげる、脚本・演出:前川知大)
11月17日(土)~18日(日) 北九州芸術劇場大ホール
11月22日(木)~23日(金・祝) りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場   

【テレビドラマ】 
日本テレビ 日曜ドラマ「今日から俺は!!」出演決定!


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第19回 前川知大さん(劇作家・演出家)

むしろこっちが人生相談したい気持ち満々のコラム、「池谷のぶえの人生相談の館」です。

「ゲゲゲの先生へ」本番どまんなか中でございます。

いつ痛みが再発するかとドキドキしていた膝痛もすっかり姿をひそめ、これも妖怪さんたちに守られてるのかしら…なんて思ったり。

本番中、ロレロレロレとセリフが危ういことになってしまっても、これも妖怪さんたちのいたずらかしら…なんて思ったり。

ケータリングにある夢のようなお菓子たちを1つに絞れずに2~3個ピックアップしてしまう時も、これも妖怪さんが食べたいのかしら…なんて思ったり。

とにかく、何かと妖怪さんをたちと責任を分担してしまうこのシステム、とても重宝しています。
つーか、完全に甘えてるだけでないの、妖怪さんたちという存在に!

しかし、公演が穏やかに順調に評判よく進んでいるのも、水木先生はじめ、もしかしたら本当に妖怪さんたちなど…いろんな見守りがあるからなのでしょうね。

もしそういった見守りを具体的に見ることができる力があるなら、ちょっとうらやましい気もしますが、そういった能力は私には一切ありません。

ただ数日前、チケットの申し込み用紙を書いていたら、前川さんが「おはようございます」と、ひょこっと覗くように挨拶してくれた時に、「ああ…前川さんは僧侶だった時があるな…」と突然思ったのです。

舞台袖でよく一緒になるイキウメ・浜ちゃん(浜田信也さん)に、「前世とかあるなら、前川さんは僧侶だった時があるのかなぁ」と話しかけると、「そうですよ」と当たり前かのような返答。

なによ…イキウメさんたちって…そういう会話が日常なのかしら…。
あるかわかりゃしない謎めいた前世への質問に対して、「昼寝たら、夜寝られなくなるよね」「そうですよ」くらいの日常性じゃないのよ…。

ちなみに浜ちゃんは前世、ヨーロッパの靴職人だったと言われたことがあるそうです。
「そういえば、若い頃スニーカーショップでバイトしてたことある!」
と言ってましたが、もしそれが前世を紐解く方程式だとしたら、私の若い頃のバイトといえば、煮立ったかんぴょうを500gずつ分けるバイトです。

もうちょっと華やかな前世、ちょうだいよ!

いや…でも、初めてのバイトだったにもかかわらずすぐに、掴んだ感覚だけで500gずつ分けることができたのです…あながち…間違ってないのかもしれない…若い頃のバイト=前世説…。

そういえば前川さんとは、切り干し大根などの乾物に関してキラキラとした喜びを感じる共通点があるのも、前世でかんぴょうを通した交流があったのかもしれません。

なんだい、かんぴょうを通した交流って…。
もうちょっと華やかな交流、ちょうだいよ!

ということで今回は、遠い前世に地味な交流があったかもしれない、前川さんからのご相談です。

*****

こんにちは。
のぶえさん、お疲れさまです。
本番を重ねる忙しい時期に人生相談までさせていただき恐縮です。
さて、僕はお芝居のアンケートを読む方です。
今ご一緒してる「ゲゲゲの先生へ」のアンケートも、初日からすべて読んでいます。嬉しいものですね、観劇直後の思いがあふれる直筆の言葉というのは。
ちゃんとメッセージが届いたなと喜んだり、あのシーンでこんな思いをする人がいるのかと発見があったりと。
その中に、稀に、私の調べだと0.2%ほどの確率で現れる現象があります。いえ現象というほど大げさなものではないのですが、それはつまり、私のことを前田と呼ぶ方がいるのです。
誤字でしょうか、それともそもそも前田と認識しているのでしょうか。イキウメの公演でもほぼ同じ確率で遭遇します。
しかもほとんどが肯定的な文脈で登場するのがまた辛いです。
「イキウメの前田さんの作品が好きです」やら
散々褒めた挙げ句「まさに前田ワールドですね」
などと書かれると、おかしいな、この人僕のこと好きなのかな、興味ないのかな、とグラグラします。
こんなのもありました。
一言「やっぱり前田さんの本は面白い!」
……えっと、そうか、五反田団観に行かなきゃ。
そうです、演劇界には同世代で前田司郎という天才がいます。
なるほど前田さんとごっちゃに、いや作風も違うし、演劇好きならそこは間違えないでしょう。
とはいえ前田さんへの敗北感すら感じてしまうわけです。
Twitterの感想などでも時々見かけます。
どうしたらいいでしょうか。
そろそろ前田にすべきでしょうか。

前川知大(劇作家・演出家)

*****

シンパシーを感じる深刻なご相談、ありがとうございます。

私もよく、峯村リエさん、平田敦子さんだと思っていただけることがあります。大好きで、とても尊敬している先輩方なので、とても光栄なことです。
光栄ではありますが、先輩方に対しては池谷ごときが畏れ多いですし、やはり気持ちがグラグラしますよね。

そして、前川さんのおっしゃるように、ほぼほぼ肯定的な文脈に出現する場合が多く、自分であって自分でない人が肯定されている…喜びと寂しさが同居する不思議な感覚になりますよね。

でもきっと、「前田さん」と書いた方は、まぎれもなく前川さんのことを前田さんだと思ってしまっているわけですし、ある日「前田さんは前川さんだったんだ!」という衝撃を受けるような出来事がないと、きっと上書きされないことでしょう。

そうなると、せめて、同じくらいの割合で、前田さんも前川さんと呼ばれているのだとしたら、自然界の均等がとれますね。実際はどうなのでしょうか。

しかし、そんな統計が取れるはずもありませんし、今後もそうしたグラグラした感情に振り回されるのもしゃくです。
どうですか、よく混同される人々を集めて、攪乱フェスをやろうではありませんか。

作・演出:前川知大 前田司郎
出演:峯村リエ 平田敦子 池谷のぶえ

なに!? 1人だと思ってた人が、2人いたの!?  3人もいたの!?
と思っていただけるかもしれませんし、なんなら役者が3人も出ているのに1人芝居だと思ってもらえるかもしれません。

ただ、この公演で回収したアンケートをどこまで信じられるかが問題です。なんならパラレルワールドでしょう。
フェスの開催を後悔する未来が垣間見えます…やはり、フェスは見送りましょう。

現実的に考えて、その作品を素敵だと感じて下さった純度の高い想いだけすくって我々の体内に取り込めるよう、こちら側の修行が必要なのかもしれません。
前川さんの作品を素敵だと感じると同時に、前田さんの作品も素敵だと思っていることになる、演劇界としては素敵な倍々ゲームです。

今回の「ゲゲゲの先生へ」お稽古初期のディスカッション時、「妖怪という存在は自然に近いかもしれない」という話題になり、「だとしたら、なぜ自然(妖怪)は時として、悪いことをしていない人の命も奪ったりするのだろうか?」的な質問を前川さんにしたところ、「人間界だけではない、もっととても広い世界でのバランスというものがあると考えてはどうだろうか」と言っていて、なるほど! と思ったものです。

前川、前田問題も、人間界を超えて、演劇界でのバランスと思えば、いい作品がたくさんできてよかったね! さあ! 祭りだ! みたいな気分になってきます。

とはいえ、そう思い切れないのが人間の煩悩です。
これはもう、かつて僧侶であった前川さんの、今世での修行のひとつです。
「前」さえ一緒なら、もうなんでも受け入れていきましょう。
「後」とまで書かれたら、またいつでもご相談ください。


■ラッキー待ち受け
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今回演じさせていただいている「コケカキイキイ」です。
なんなんでしょう、この独特のかわいらしさ。
前川さんとは、同じ大学出身で、私が所属していた演劇サークルの関係者が「イキウメ」創立メンバーだと聞いています。かんぴょうのご縁が今世にもつながりましたね。
気が向きましたら、来世でもお会いできますように。身体のどこかに印つけておきます。かんぴょう形の痣とか。

■前川さんの今後の予定
「ゲゲゲの先生へ」
原案:水木しげる
脚本・演出:前川知大
東京公演10/8~21@東京劇術劇場プレイハウス

10/27からツアー公演開始!
松本10/27~28、大阪11/2~5、豊橋11/9~11、宮崎11/14、北九州11/17~18、新潟11/22~23

カタルシツ演芸会「CO.JP」
作・演出:前川知大×安井順平
12/19~28@六本木スーパー・デラックス


【筆者プロフィール】
pro_iketani 
池谷のぶえ
いけたにのぶえ94年より04年の解散まで劇団「猫ニャー」の劇団員として活動。解散後は、ケラリーノ・サンドロヴィッチ作品、NODA・MAP、蜷川幸雄演出作品など数多くの舞台に出演。

[出演情報]
【舞台】
「ゲゲゲの先生へ」(原案:水木しげる、脚本・演出:前川知大)
10月21日(日)まで   
東京芸術劇場 プレイハウス

10月27日(土)~28(日) まつもと市民芸術館 主ホール
11月2日(金)~5日(月) 森ノ宮ピロティホール、
11月9日(金)~11日(日) 穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
11月14日(水) メディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場) 演劇ホール
11月17日(土)~18日(日) 北九州芸術劇場大ホール
11月22日(木)~23日(金・祝) りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場   

【テレビドラマ】 
TBS「中学聖日記」
毎週火曜22時~放送中


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第18回 雨堤千砂子さん(グラフィックデザイナー)

むしろこっちが人生相談したい気持ち満々のコラム、「池谷のぶえの人生相談の館」です。

人生の転換期というものが、みなさんも少なからずあるかと思いますが、私もまた最近ちょっとした転換期を迎えました。

低いところ、狭いところ、端っこ、うす暗いところ…こうしたすぐ気配を消せそうな場所は私の一番落ち着く場所でありますが、そこからついに「低いところ」が奪われてしまいました。

床生活から、椅子生活への転換です。

6月中旬頃からほんのり痛んでいた左足の膝が、7月中旬になっていよいよ本格的に痛くなり、一時は家の中を移動するのも半べそをかきながらくらいにまで達した膝痛。

近所の整形外科から始まり、鍼やら病院やら骨盤矯正やら、いろんな場所をあたりましたが原因がわからず。
こうなったら本格的な病院に行こうと、膝痛専門病院の予約をとり、病院から指定されたMRI施設で撮影もし、明日はいよいよ原因がわかるんだわ! と思っていたら、突然の完治。

はい、ここからオカルトです。

その日は撮影で富士山近くを訪れており、早朝に撮影が終わり最寄り駅まで送ってもらったのですが、夕方に予定されていた東京での衣装合わせまでだいぶ時間が空いていたので、時間つぶしに散歩でもしてから東京に戻ろうと駅近くの有名な神社まで行きました。

ちなみに膝痛といえども、立ち上がったり、しゃがんだり、階段を上り下りしたりということはとても痛かったのですが、歩くのはほぼ支障がなかったのです。

神社について、お参りして、駅まで戻り、さて東京へ帰ろうとホームへの階段を上がろうとした時に、

「ん?…痛く…ないかもしれない…いや、そんなことは…ん?…もしかしたら、階段…登れる?…いや、そんなことは…ん?…登れた…いや、たまたまだ…もう一段…ん?…登れる…痛くない…登れる…登れる!!…登れる!!!! 登れてるし痛くなーーーい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

少し痛くなくなった、段々痛くなくなった…くらいなら、ああ、そろそろよくなる時期だったのかもしれない…とも思いますが、この手のひらを返したような完治…どう説明がつくのでしょう。
いまだに何だったのかわかりません。

もちろん翌日の膝痛専門病院でもこの現象を話しましたが、失笑されるばかり。
しかしMRI写真は激痛時代のものなので、半月板損傷という、一応原因のようなものも判明しましたが、半月板自体には神経がないのでそこが痛むわけではないとか、半月板のことを調べれば調べるほど謎で。
じゃああの痛みはどこがどうして痛んでたんだか…そしてなぜ突然完治したんだか…結局わからないままです。

神社って…すげぇ。

わかったのは、このことのみ。
歳をとると、やたらと神社仏閣にすがりたくなる気持ちがやっとわかってきました。

とはいえ、現実的に半月板が損傷していることは確かなので、これ以上悪化しないようケアしていくしかありません。

おまたせしました、オカルトから床生活から椅子生活への転換に戻ります。

病院の先生によると、横すわり、あぐら、正座などの床での生活から、立ち上がったりしゃがんだりという床生活の動きは、膝にとても負担をかけているのだとか。
じゃあ、昔の日本人はどうして大丈夫だったのだろう…とも考えましたが、体重とかの関係もあるのでしょうかね。

私もつい2年前まではいまよりも18kgくらい重かったですし、随分と負担をかけ続けてきてしまっていたのかもしれません。

この先、ご迷惑をかけずに生きて行くには、生活を改善するしかありません。

なんか衝撃を吸収するインソール&靴、なんか膝付近を助けてくれるサポーター、なんか体幹を鍛えるクッション、なんか骨盤を矯正するクッション、なんか自動で筋肉を鍛えてくれる器具、なんか椅子生活できる椅子と机。

そんな、なんかたちを取りそろえ、いま私の部屋は、健やかに生活する意識の高いステキな女性みたいなグッズに満ち溢れています。

「体幹」という言葉もたくさん発しています。
いままで口にしたこともなかったわ…た・い・か・ん。

ストイックになってしまったらどうしよう…どうか神様、私がストイックにだけはなりませんように…!!

さて、そんな転換期をご近所で見守ってくださってる方が、今回のご相談者です。


*****
のびえさん、こんにちは!

何者でもない裏方の自分がこの館に招かれて人生相談に乗っていただくだなんて大変畏れ多いのですが大丈夫でしょうか…あれ?もしかして人生のピークってヤツですか?…なんか心臓バクバクしてきました…でもせっかくの機会ですのでバクバク心臓は握り潰してご相談させていただきますっ!

気持ちや計画はあるのになかなか行動に移せず完遂できません。とにかく頭の中の妄想タイムが長くあーでもないこーでもないと具体的に考えたり調べたりと準備だけは熱心ですが、行動力・実行力が足りていません。気付くとわりと時すでに遅しで機を逸しており、嗚呼もう今更だわね…となるので実質何もしていないも同然です。逆に無駄に時間を浪費しています。
仕事では〆切があるので何とかなっていますが、プライベートはほぼこんな状態です。断捨離を始めてメ◯◯リとかに出品しようと思った衣類の箱を積んだまま2~3年経過しています。10日前に必要事項を書き込み52円切手まで貼ったのに追加の10円切手を買わないまま応募ハガキの消印有効日が過ぎました。この相談内容もメールに下書きしていますが、未送信のままのメールが何通も入っています。他にも数え上げたらキリがないくらいのアレヤコレヤ…どうすれば“行動力の化身”となれるでしょう?この悩みが解決したら今後の人生が変わりそうです!(←他力本願&過度の期待)
どうぞよろしくお願いいたします☆

雨堤千砂子(グラフィックデザイナー)

*****

私も、妄想の化身なので、雨堤さんのお気持ちとてもよくわかります。
妄想をしたことで、やるべきことのある程度までの結果を出してしまうんですよね。妄想によってそれなりに体力も使うので、実行する時はすでに面倒くさくなっていたり…。

前に何かの文章で読みましたが、行動と実行というのは違うのだそうです。
そういった意味では、妄想も行動の一環ではあると思うのです。すでに行動はしているのですが、私たちに足りないのは実行部分なのだと思います。

ただ、なぜそんなに妄想をしてしまうのか…と考えた時に、きっと実行に面倒くささと怖さを感じているのではないでしょうか。

私の数少ない実行経験からすると、本当の実行は面倒くささと怖さはありながらも、その二人と両手をつなぎながらも気づけば発射していた気がします。

面倒くささと怖さを目で見える前に置いてはいけないのかもしれません。
後ろに置ければ最高ですが、せめて横に配置して目に見えないようにできたらいいですよね。

そして、見ないことというのは、ある意味、見ることだと思います。
ああ、私がこれからやろうとしていることは、私にとって面倒くさいし、怖いんだと、ちゃんと自分を受け止める。

その段階で発射できたらよいのですが、それでも無理な場合は、じゃあそれは何のため、誰のために必要なのかということを考える。

自分のためでもいいですし、何かのためでも、誰かのためでもいいと思うのですが、きっと実行に移せないのは、妄想が常にto be continued だからかもしれませんね。

なんでも結果を出せばいいというものでもありませんが、実行に移したい! という熱い想いがある場合は、妄想の決着をつけることが必要なのではないかと思います。

自分で書いておきながら、できるかなぁ…と自信がありませんが。

お仕事だと実行できる、というのも、仕事は必ず決着をつけなければいけないからかもですよね。

そしてほんとに今日、朝食の支度をしながら降りてきた感覚なのですが、いままで信じていた自分の生活速度と、本来の自分に合う生活速度というのは、必ずしも合っていないのかもしれません。

雨堤さんは、実行に移さなきゃ! と速度を速めようと思っているとしても、本当に自分に合っているのは、妄想をゆっくりしている時間の流れなのかもしれないですし。

自分には、本来もっとのんびりしたテンポが流れているような気がします。
ただ、人から求められて早いリズムにすることも嫌いではない気もします。
人から求められてそれが良いと感じたり言われたりしているうちに、とても速いテンポが通常になってしまい、なんだか少し疲れてきました。
本来のテンポはどんなんだったかなぁ…と、今日は朝から自分のために妄想中です。

できればすぐ実行できる体質になりたいですが、本当に必要な実行の時は、雨堤さんは何よりも早く実行できて、その後長い妄想をしていそうな気もします。

もう、実行なんて、本当に必要な時だけでいいような気もしてきました。
そんな妄想を…してしまいますね。


ラッキー待ち受け
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妄想って、まだ見てないものや出会ってないものをあれこれ想像して、喜んだり恐怖したりしてしまうものですよね。
自分の膝を外から見てあれこれ考えていても、膝の中まではわかりませんでした。わかってから対応できる効率的なことはたくさんあるとも思います。
そういった意味では、実行を妄想のスタートにするというのも、合理的かもしれませんね。
ということで、実行という名のMRI写真を待ち受けにどうぞ。
左側の、骨と骨の間の白い筋が損傷なんですって。気の長い妄想をしていくとしましょうか。


■雨堤さんの今後の予定
KERA・MAP #008
「修道女たち」
作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
2018年10月20日~11月15日
下北沢 本多劇場
ほか 兵庫公演・北九州公演あり
*宣伝美術・公演パンフレット担当


【筆者プロフィール】
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池谷のぶえ
いけたにのぶえ94年より04年の解散まで劇団「猫ニャー」の劇団員として活動。解散後は、ケラリーノ・サンドロヴィッチ作品、NODA・MAP、蜷川幸雄演出作品など数多くの舞台に出演。

[出演情報]
【舞台】
「ゲゲゲの先生へ」(原案:水木しげる、脚本・演出:前川知大)
2018年10月8日(月・祝)~10月21日(日)   
東京芸術劇場 プレイハウス   
松本・大阪・豊橋・宮崎・北九州・新潟公演あり

【テレビドラマ】 

池谷のぶえ単行本販売中!
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日刊☆えんぶラインナップ

池谷のぶえの人生相談の館

松崎ひとみサムナツ活動日記

一十口裏の妄想危機一髪

粟根まことのエッセイ「未確認ヒコー舞台:UFB」

松永玲子のエッセイ「今夜もネットショッピング」

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池谷のぶえの国語算数理科社会。

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