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第17回 安倍康律さん(俳優、劇団「ぼるぼっちょ」主宰・作・演出)

むしろこっちが人生相談したい気持ち満々のコラム、「池谷のぶえの人生相談の館」です。

いろんなことに対してとーっても腰が重い私としては、お休みの日なども大概部屋でじっとしています。

もしもお地蔵さんの中で、アクティヴな性質ゆえに動きたくてウズウズしているお地蔵さんがいるのなら、なんなら変わってあげてもいいくらいです。

そんなんですから、行きたいところなどがあっても、既に知っている土地ならわりとホイホイ出かけるのですが、新規開拓の土地となるととたんにお地蔵さんスイッチが入り、妄想しただけですっかり旅行に行った気になったりしてしまうのです。

まあしかし最近特に、「もうあまり、残りの人生ないな…」という気持ちになるので…というと、「池谷さん、またはじまりやがった…」と思われそうですが、これが不思議とネガティヴな気持ちではなく、「もうあまり、残りの人生がなさそうだから、いろいろなことに出会いたいな…」という、ちょっとポジティヴな気持ちであります。

ということで、重い腰を上げて行ってきました上高地。

上高地くらいさっさと行けや! という何万というざわめき…受け止めましょうとも。
これが私の、地蔵にも勝る地蔵らしさ。Top of 地蔵のなせる業です。

そもそも、なんで急に上高地に行きたくなったのかも、あまり動機を覚えちゃいないのですが、ふ…と舞い降りてくる時ってありますよね。
あれをやろう、あそこに行こう、これはやめとこう、もう少し待とう…などなど。

こういう自分の勘のようなものを、わりと信頼しているので、「そうだ、上高地に行こう!」となったら、上高地に何かあるんでしょうね。

実際、あったな…ものすごくあった…。

景色の美しさ、満天の星空はもちろん、人と何かをすること、行動してみることの発見、そして、なんだかいろんな不必要なものを上高地に置いてきたような、すっきり感…上高地側としては、池谷のデトックス地蔵を置き去りにされちゃたまったもんじゃないでしょうけれど…。

まだまだ知らないことにたくさん出会いたい…と瞳を輝かせる47歳。
30年前に輝かせとけや! ってはなしです。

さ、ということで、残りの人生もあまりなさそうですので、今月のご相談を。

*****

のぶえさん!!この度は、このような素敵な館へお招き頂き、ありがとうございます!!

相談したい事は山ほどあるのですが、長居しすぎないよう、おじゃまします。


僕は、2016年に、劇団員が僕1人しかいないのにもかかわらず「劇団ぼるぼっちょ」と、劇団、と名乗り、劇団を旗揚げしました。
旗揚げ公演、第2回公演と、劇団は僕1人だけだったのですが、現在では、劇団員が、僕含め4人になり、なんだか劇団っぽくなってきました。せっかく、劇団っぽくなってきたので、もっと劇団らしくなりたいなぁ、と思いました。

劇団公演では、基本的に、僕のやりたい事をやっているわけなのですが、それで良いのでしょうか??僕、1人の時と、変わっていないわけです。

今だからこそ思う、のぶえさんが劇団に所属していた頃に、こういう事を皆んなでやっておけばよかった、とかあったりしますか?

そもそも、劇団って何なのでしょう??僕のためにはなっているのですが、皆んなのためになっているのか不安です。良い劇団のあり方って、どんなだと思いますか??

真面目な、そして答えがなさそうで、無限にありそうな相談ですみません。
過去、この館に、名だたる演劇人が登場しながら、いや、だからなのでしょうが、演劇の相談はなかったので、劇団初心者で無名という事に甘えて、このような相談にさせていただきました。

あと、最近、よく、どーしたものかと悩んでいるのですが、電車での移動中に、読書できるほどの集中力がなく、全く集中力のいらない携帯をいじる、ということをしていてもつまらない場合の、有意義な過ごし方を教えて下さい。

もっと長居したかったのですが、以上が、僕の相談です。どうぞ、よろしくお願い致します。



安倍康律さん(俳優、劇団「ぼるぼっちょ」主宰・作・演出)

*****

安倍さんとは、2011年に帝国劇場で上演された「風と共に去りぬ」で共演させていただきました。
まず、私みたいなドブ俳優がなぜ帝国劇場のお芝居なんかに呼んでいただけたのかも謎ですが、そこで出会った安倍さんも周りの人たちと比べてちょっと違和感のあるおかしな印象でした。

カーテンコール前になると、舞台袖に来て毎日まったく意味のないエチュードを仕掛けて来ては去っていくのです。それこそ、風と共に。

そんな毎日でしたから当然印象に残っていたのですが、数年後に劇団を始めるというではないですか。
そして、旗揚げ公演を観てみると、これがすごく楽しかった。

小さな空間で、ちょっとナンセンスなおとぎ話を、歌やダンスを贅沢に使って、ちゃんとやってくれるのです。

「僕のやりたい事をやっているわけなのですが、それで良いのでしょうか?? 僕、1人の時と、変わっていないわけです。」とのご相談ですが、劇団という集団になっても、「僕のやりたいこと」をやれている、それをやろうという仲間がいる、ということは、1人の時とまったく違うと思います。
とてもすごいことで、とてもステキな時期なんだと思いますよ。

私も、劇団生活を10年経験した身として、ああすればよかったかも、こうすればよかったかも…といったことはたくさんあります。

その中でも難しかったのは、その集団のステキなところを見続ける…ということです。
劇団も何年もやっていれば、悪いとこばかり見えてきてしまいます。そしてその蓄積でいつか、お別れがきたりします。

なので、なるべく劇団のステキなところを注目し続けられたらいいですね。
と同時に、ステキなところを作り続けていかないと、注目もできません。
そしてそれは、1人ではできません。

…ということに、私は劇団が解散してから気づきました。そんなこと当たり前だしわかってるつもりでいましたが、それを段々実感できなくなってくるのが劇団の切なさだと思います。

仲間が集まり始めているいま、一緒に作品をつくる人たちを大切に。
シンプルなことではありますが。

そして、「通勤中の過ごし方」ですが、私はぼんやりするのが大好きなので、私から何を言われても説得力がまるでないと思います。

私は強いて言うなら、通勤時間は、決して真剣にではなく、ぼんやり作品のことを考えていると、不思議な経路で何かがつながったり、ひらめいたりすることが多々あるので、脳をほったらかすという時間に使っています。

自己放牧…みたいなことでしょうか。
自分を泳がせる…みたいなことでしょうか。
無責任に通勤する…みたいなことでしょうか。

自分なんて適度にほっとけば、いずれなんかしだします。
私は地蔵のように動かないけど。

安倍さんはぜひこれからも、適度に動きますように。


ラッキー待ち受け
池谷コラム8月
こんなに待ち受けらしい待ち受けがあるでしょうか。
上高地の明神池です。帰宅後、ネットで上高地のことをいろいろ振り返っていたら、この場所がまさにパワースポットだと書いてありました。
後から知ると、それならもっと気合を入れて眺めておくんだった…と後悔するものですね。


■安倍康律さんの今後の予定
劇団ぼるぼっちょ
第4回公演 音楽劇
『ダンナー・ジェンダップ』
作・演出・作詞・作曲・振付、安倍康律
2018年9月7日(金)〜17日(月)
会場 ザ☆キッチンNAKANO

劇団ぼるぼっちょ
第5回公演 音楽劇
『クラブ シャーリー』
作・演出・作詞・作曲・振付、安倍康律
2018年12月7日(金)〜23日(日)
会場 ザ☆キッチンNAKANO


【筆者プロフィール】
pro_iketani 
池谷のぶえ
いけたにのぶえ94年より04年の解散まで劇団「猫ニャー」の劇団員として活動。解散後は、ケラリーノ・サンドロヴィッチ作品、NODA・MAP、蜷川幸雄演出作品など数多くの舞台に出演。

[出演情報]
【舞台】
「ゲゲゲの先生へ」(原案:水木しげる、脚本・演出:前川知大)
2018年10月8日(月・祝)~10月21日(日)   
東京芸術劇場 プレイハウス   
松本・大阪・豊橋・宮崎・北九州・新潟公演あり

【テレビドラマ】 

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第16回 小園茉奈さん(女優)

むしろこっちが人生相談したい気持ち満々のコラム、「池谷のぶえの人生相談の館」です。

ジョンソン&ジャクソン「ニューレッスン」、無事閉幕いたしました。
ご来場いただいたみなさま、お気にかけていただいたみなさま、当日券にお並びいただいたのにご入場できなかったみなさま、大雨の中ご来場いただいた関西方面のみなさま、そして、交通機関の関係でご来場できなかったみなさま、本当にたくさんのご観劇とお気持ちをありがとうございました。

ふざけたお芝居をやっておきながら、最後にはこんなにも感謝の気持ちばかりが押し寄せてくるのが、なんだか変な気持ちです。

しかし、本当におつかれさまでしたね、ジョンソン&ジャクソンのお二人。
5月中旬から丸2ヶ月、受精、出産、育児を経て、作品を独り立ちさせた…みたいなことですものね。言うなれば、人生ではないですか。

その全てがふざけたことのため…というのも、もうこの公演そのものがふざけたことのようにも思えてきますが。

とはいえ、ふざけたことのためのお稽古は、それはそれはしっかりとしたものでした。
みんなで疑問を共有し、解決し、前へ進んで行く…そんな稽古場はあまりないのが現状です。

結果、その丁寧さが客席にも届いたような気がして、舞台作品の作り方の大切な部分というものを、改めて心に刻めた気がしています。

ほら、すぐにちゃんとした気持ちになっちゃうわけよ。

しかし、お稽古が始まる前には、そんな展開考えてもいませんでした。
稽古開始前の取材時には、「みんなで、見たことのない新しい面白さを見つけよう!」みたいな雰囲気でしたので、もし稽古中に「面白さ」について振られた時に、何もストックがなくてはいけない! と思い、普段からメモをしておりました。

・舞台にコンビニがあったら便利
・土俵制度
・0人芝居
・すごい真面目な演技だけど、全部アドリブで進める
・ちゃんとした芝居と、数学界のいろんな計算方法とのコラボ
・湯葉と演劇のコラボ
・舞台上から、風船にタネをつけたり、瓶に手紙を入れて流したりしたい
・他人のパンツは、どこまでが自分のパンツか
・おじさんの咳を集めたテーマパーク
・気づいたら、演者が全員1cm浮いている
・味噌を塗った台本と塗ってない台本では、作品はどう変わるか
・ガラスを割って入りたい
・ひどいシーンになったら、隣で生け花
・舞台にドローンを飛ばす
・自分を2.5次元にしたらどうなるか
・劇団「不安」の公演
・世界中の音を疑う

ええ、何一つ使いませんでした。
こんなふうに、適当なアイデアをメモするなんて馬鹿みたいに簡単ですが、あの二人は、私には考えも及ばない思考回路で今回のような作品を生み出したわけで…本当にすごいなぁ…と心から尊敬します。

そして、せいこうさん。
演出していただくことではご一緒したことがありましたが、こんなにもがっつりと共演させていただくのは初めてでした。
それも、わりと二人きりでの掛け合いのシーンがたくさんありましたね。緊張と嬉しさの行ったり来たりでした。

ジョンソン&ジャクソンのやりたいことを静かに暖かく見守り、困ったり停滞したりした時には、構造の解説でひも解いてくださったり、スッとバイパスもあることを示唆。
せいこうさんがいらしたことで、なんだか安心できました。

そして、茉奈ちゃん。
演劇ぶっく社さんのプロデュースした舞台「レミゼラブ・ル」(作・演出:ブルースカイ)以来の共演でした。10年くらい前ですね。

その後、ナイロン100℃の劇団員となり、こうしてまたご縁あって共演することができました。

今回は、そんな茉奈ちゃんからのご相談。

*****

のぶえさんこんにちは。

ジョンソン&ジャクソンでは大変お世話になりました。のぶえさんのあんな姿やこんな姿を毎日見れることが出来て、大変勉強になり刺激的な毎日でした。楽屋でも私のくだらない話にお付き合いいただきありがとうございました!

今回、その上ご相談まで…。

どうぞよろしくお願いします!



食べ物への執着がすごいです。

特に稽古期間中は油もの、肉、肉、肉。



「百年の秘密」の本番中には人生最高体重になっていました。これはいかん!と思い「ニューレッスン」稽古中に3キロ近く落としたのですが本番に入って、みんなとご飯食べたりしているうちにまた増加しつつあります。舞台上で全速力で走るシーンがあったからなのか、少しヒザに痛みも感じはじめています。



美味しいものを目の前にすると食欲が抑えられません!夏の1日1本アイスがやめられません!!!(冬のアイスも格段に美味しいです)どうしたら食欲が抑えられますか?!



ご回答よろしくお願いします!



*****

どうりで稽古中、やたら酢キャベツを食べているなぁ…と思っていました。
3キロも落としてたのね。

茉奈ちゃんのように、元々ぽっちゃりしているわけでもないのに3キロ落とすのは結構大変よね。

私は、稽古に入って2キロ落ち、全てが終わったいま、ピッタリ元に戻りました。まだ戻りきってない茉奈ちゃんの方が素晴らしいです。

本番中の「自分へのご褒美」という概念をどうにかしないといけないですね。
本番中は、普段食べないものをあえて差し入れからチョイスしてみたり、昼ごはんをワクワクするものにしてしまったり、頻繁に夜中に飲みに行ったり…こう書きだしただけでも、一日3公演ぐらいはやらないとカロリーを消費できるわけがない…なのに、あの期間は魔法にかかってるのよね…カロリーなんて舞台に出ることで全部消費できる気がするのよね…ある意味、気持ちの病気よね…。

私も次回そうしようかと思ってるんだけど、本番中の鏡前に「病気」って貼ろうと思うの。
舞台やってる間なんて、うたかたの病気よね。
終わると、それに気づくんだけど、毎回やってる間は気づかない…それも病気の症状よね。

ただ、今回のような怒涛のナンセンス台詞を覚えている間は、食べるよりも何よりも、台詞を覚えたいことに精一杯でズンズン体重が落ちていったので、とてもいいダイエットだったな…と思うの。

そういうダイエットとして、今回の台本も販売すればいいのに…「この台詞を覚えたら2キロ痩せます」…って私も本の帯を書くよ。

だからやっぱ、痩せる時って何かに集中してる時なのかもしれないね。
痩せようと思って集中したり、痩せようとも思ってないほど何かに集中したり。

多分、食べ物に気持ちが行く時って、そんなに集中することがない時だけど、集中したい時なのかもね。
食べるのって、いろんなことの疑似的な満足感があるもの。

とりあえず、茉奈ちゃんは膝の痛みと、体重の人生最大値を回避すべく、この夏は何かに集中して!

すごく上手だった阿波踊りでもいいし! なんなら、一日中阿波踊りだよ! 移動も阿波踊りだよ! お風呂だって阿波踊りだよ!

そんなことを言っておきながら、茉奈ちゃんが1日1本のアイスで悩んでるところ、私は1本どころではありません。反省します。

私も衝動的にアイスをたくさん食べてしまう癖があるのですが、アイスを止めるにはアイスを買わないことが一番です。
スーパーのアイスコーナーに行っても、「これは鈴木さんのアイス、佐藤さんのアイス、木村さんのアイス、マイケルのアイス、ジェニファーのアイス…」と名前を付けて行って、「池谷のアイスは、この世界には売ってないな…」という、脳内エチュードをしています。
アイスが自分のためにあると思ったら大間違いです。
アイスは、自分以外のみんなのためにあるのよ、茉奈ちゃん。

…そう言い聞かせて、がんばろうね…。

でも茉奈ちゃんの次の舞台の役どころ、「物産展に行くことしか考えてないバイト」って書いてあるね。
役作りのために、物産展行ったほうがいいよ…ふふふ…物産展って美味しいものがたっくさんあるよね…ふふふ…物産展行くことに集中しなよ…ふふふふふ…。


ラッキー待ち受け
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連日茉奈ちゃんの胸を揉みしだいた、元婚約者の写真です。
なかなか自分以外の胸を触る機会もないので、いや、自分のは揉みしだいちゃいませんが…貴重な体験でした。
上手に揉みしだけてなかったらすみませんでした。
世の男性も、「俺いま、上手に揉みしだけてるかな…」と思いながら、愛する人の胸を揉みしだいているのだとしたら、それはそれでご苦労様です…と思った次第です。
なんだ…この文章。

■小園茉奈さんの今後の予定
明後日公演2018「またここか」
脚本:坂元裕二
演出:豊原功補
日程:9月28日(金)~10月8日(月・祝)
会場:DDD青山クロスシアター

http://asatte.tokyo/matakokoka/

【筆者プロフィール】
pro_iketani 
池谷のぶえ
いけたにのぶえ94年より04年の解散まで劇団「猫ニャー」の劇団員として活動。解散後は、ケラリーノ・サンドロヴィッチ作品、NODA・MAP、蜷川幸雄演出作品など数多くの舞台に出演。

[出演情報]
【映画】
「モリのいる場所」(監督:沖田修一)公開中

【テレビドラマ】 
月~土曜日8:00~放送中

【舞台】
「ゲゲゲの先生へ」(原案:水木しげる、脚本・演出:前川知大)
2018年10月8日(月・祝)~10月21日(日)   
東京芸術劇場 プレイハウス   
松本・大阪・豊橋・宮崎・北九州・新潟公演あり


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第15回 大倉孝二さん(俳優)

むしろこっちが人生相談したい気持ち満々のコラム、「池谷のぶえの人生相談の館」です。

ただいま、大倉孝二さんとブルー&スカイくんのユニット、ジョンソン&ジャクソン「ニューレッスン」のお稽古の日々です。

このコラムがWEBにアップされる日が、ちょうど初日。
どんな初日になっているでしょう…ポカーンとする客席でしょうか。それとも優しく微笑んでくれる客席でしょうか、それとも見たこともないような恐ろしい客席でしょうか…。

いずれにせよ、早く初日を迎えたいという思いが沸々してきています。まだまだ台詞がフワッフワしていておぼつかないにもかかわらず…。

笑いの作品って、何度もお稽古しているうちに、自分たちもスタッフさんも見慣れてきてしまい、誰もクスリともしない期に突入することがあります。
その時期は何やっててもどんよりしていて辛いですし、血迷ってせっかくよかったものさえ疑い始めてしまったりもしますし、いいことなんてありゃしません。

今回の作品も、とーってもくだらないにもかかわらず、とーっても繊細なニュアンスを保つことが必要なので、ちょっとしたバランスやコンディションが違うだけで、くだらなさや面白さの角度が変わってくる場合があります。

そのあたりを、少しでも確率高く再現できるようにという稽古が、本当に脳みそを使う。
身体はそんなに疲れていないのに、脳みそばかりが疲れているという、バランス丸崩れな日々であります。

とはいえ、主催である大倉さんとブルーくんを前に、疲れたとは口が裂けても言えません。あ、数行前に「疲れてる」ってしっかり書きましたが…。

自分たちがやりたいことをやるためには、ほとんどの場合、自分たちで行動を起こすしかないわけで。
しかし、やりたいことをやるためには、やらなければいけないことが山ほどあるわけで。

やりたいことをやるためにやりはじめたはずなのに、気づけばヘトヘトになっていて、やりたいはずだったことを楽しむ余裕がなくなってきたりしてしまう…そんなこともあったりするのだと思います。

そんな茨の道を進んでいる2人

と…ここまでは、6/11に執筆していた部分ですが、ここから先は6/18に執筆する部分になります。

今回は、そんな茨の道を進んでいるうちの1人、大倉孝二さんからのご相談です。

*****

疲れがとれません。
そのせいで、こんな悩み相談しか思い付きません。
あと、笑顔を求められると困ります。
あと、ブルー&スカイと、まだ馴染めません。
スパっと解決、よろしくお願いいたします。

大倉孝二さん(俳優)

*****

6/11に、既に疲れに関する回答をしかけてましたね。
それくらい、大倉さんもブルーくんも疲れてるんだろうなぁ…と感じていたのですね。

いまはもう6/18。その後、通し稽古も何回かできて、いよいよ劇場に入っての調整。もう少し、あともう少しでやっとお客さんと一緒にふざけた世界へ行けますね。

やりたいことのためとはいえ、毎回大変なことだと思います。
0からふざけたことを生み出すのだもの。生み出すだけでなく、いろんな打ち合わせも進めながら。そして、我々ゲストにも気をつかってくれながら。

そんなことの連続だったお稽古期間、疲れるのはもう必然なので…大倉さんにとって、その疲れが少しでも癒される瞬間がたくさん訪れることを願います。

まずそれは、初日ですね。お客さんたちとどんなふざけた時間を共有できるでしょうね。そして、初日打ち上げに飲むビールですね。そして、連日のお客さんたちとの共有につぐ共有。大阪のお客さんとも共有。そして、打ち上げに飲むビール…結果、ビールとお客さんの登場回数が一番多いので、その二つに癒してもらうのが一番シンプルなのかもしれません。

スパっと解決お願いします…と書いてあったのに、ダラダラ回答してしまいました。これでは、読むのも疲れてしまいますね。
ここからはスパっといきますね。

「笑顔でお願いします!」には、歯を6本以上見せていきましょう。スパっ。

職業柄、写真撮影などで必ず通らねばならない関所ですよね。

写真撮ってくれる方の膝にずっとセミとか止まってたら、自然に笑顔にもなりますし、セミくらい連れてきてくれてもいいのにな…と思ったりすることもあります。

笑いに対して繊細なこだわりがある大倉さんだからこそ余計に、「面白くもねーのに笑えねぇぜ」という芯があるのかもしれないですね。

でも今回の稽古場では、よーく笑ってくれてましたね。
楽しそうにしている大倉さんを見られるのは、スパイスに触れている時だけだと思っていたので、ケラケラと笑っている姿を見ることができると、ああ、少しはやりたいことに近づけているのかな…と、ほっとしたものです。

笑顔ってそういうときに出るものですものね。
「上の歯を6本以上見せると笑顔になれる」と、ネットに書いてありましたので、「どうしても大倉さんの笑顔が見たいんだ!」「大倉さんが笑顔になってくれないと、クビなんです!」と懇願された時には、上の歯を6本以上見せて乗り切ってください。

そして、ブルー&スカイとなかなか馴染めないというご相談。
無理。スパっ。

私も、かれこれ出会ってから26年くらいになり、ようやく孫くらいに思えるようになってきましたが、なかなか馴染めやしません。

その間、ブルーと全く何をしゃべっていいのかわからない期、ブルーの才能が素晴らしすぎてよくわからない期、ブルーになにかとイライラしてしまう期、ブルーに少しはやさしくしてあげなければいけないかもしれない期…などを経ての、ブルーが生きているならそれでいい孫期です。

今回の大倉さんとブルーくんの関係を見ていると、大倉さんが奥さんのように見えてきます。あれこれと世話を焼き、アドバイスし、時に呆れ、時にイラっとし、時にやさしく…結果総合的に、イチャイチャしやがって!…という気持ちでいっぱいです。

私から見たら大倉さんは、私が26年間かかったブルーとの馴染みも、数年で十分クリアしているように見えますよ。それだけ、ブルーとの濃密な時間があったということですね。

今回、一緒に取材を受けたりすることも多く、その度に大倉さんは、「ふざけたお芝居をやりたい」「なんなら、それしかやりたくない」…というようなことを言っていました。

一方ブルーくんは、「くだらない演劇なら好き」「いまのところ特に予定もないし、これが最後の作品になるかもしれない」…というようなことを言います。

なんなの、この2人…この場所がなくなったら、どうすんの。

端からみたら、何に使うか価値がわからないようなものを大事そうに、ああでもない、こうでもないと、いろんな使い方をして笑い合ってみたり、よくわかんなくなって嫌になってみたり、押し付けてあってみたり、ぶっ壊してみたり、そんなことをし合っている2人が愛おしくてなりません。

今回の作品で「もういっか…」と2人がならないように、2人のふざけ世界をお客さんたちと共有できるように、微力ではありますが心をこめてふざけます。

どうか2人にとっての聖地が、少しでも長く続きますように。


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IMG_0933
本番に向けて少しでも上達しようと、いまから演技の基礎を学ぼうとしている、相方の写真を待ち受けにどうぞ。


■大倉孝二さんの今後の予定
ジョンソン&ジャクソン「ニューレッスン」
6/21(木)~7/1(日) CBGKシブゲキ!(東京)
7/6(金)~8(日) ABCホール(大阪)

NODA・MAP「贋作 桜の森の満開の下」
2018年9月1日(土)~12日(水) 、11月3日(土・祝)〜25日(日) 
東京芸術劇場プレイハウス   
ほか、大阪、北九州、フランス・パリ公演あり


【筆者プロフィール】
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池谷のぶえ
いけたにのぶえ94年より04年の解散まで劇団「猫ニャー」の劇団員として活動。解散後は、ケラリーノ・サンドロヴィッチ作品、NODA・MAP、蜷川幸雄演出作品など数多くの舞台に出演。

[出演情報]
【舞台】
(作・演出:ジョンソン&ジャクソン〈大倉孝二・ブルー&スカイ〉)
6月21日(木)~7月1日(日)CBGKシブゲキ!! 
7月6日(金)~7月8日(日)ABCホール

【映画】
「モリのいる場所」(監督:沖田修一)公開中

【テレビドラマ】 

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