むしろこっちが人生相談したい気持ち満々のコラム、「池谷のぶえの人生相談の館」です。

NODA・MAP「足跡姫 時代錯誤冬幽霊」、ホリプロ「Little Voice」、こまつ座「円生と志ん生」、シアターコクーン・オンレパートリー2017「24番地の桜の園」。

演出では、野田秀樹さんとは13年ぶりくらいでしたし、日澤雄介さん、鵜山仁さん、串田和美さんとは、初めてのご一緒でした。
こんなにも、初めての演出家さんだらけの年は初めてです。
終わってみれば、みなさんそれぞれに刺激的で、それぞれに演劇を愛し、それぞれに毒のスパイスと優しさのある演出家さんでした。

初めてご一緒した出演者の方々も、ざっと数えてみたら40数人。
さらにスタッフさんや、映像関係のお仕事などを入れたら軽く100人は超えているのでしょうね。出会いだらけです。

よく、なかなか恋愛できない方たちのインタビューで、
「出会いがなかなかなくて…」
という回答がありますが、声を大にして言いたい。
「出会いだらけだって、できないものはできないのよーーーーー!!!!」

むしろ、出会いがない方がよっぽど言い訳になります。
あれだけ出会っといて何してたのよ!! という気持ちになりますよね。
まあ、出会うために仕事をしているわけではなくて、仕事をしてたら出会うことになるのですけれども…。

来年も、いったいどれだけの新しい方々に出合えるのでしょうか。
楽しみでもあり、寂しくもあり。
なんたって、このお仕事、一つの作品が終わるとすぐサヨナラですものね。
作っては消え、出会っては去り…の繰り返し。

せめて、辛い出会いや、辛いサヨナラがなるべくありませんように。

さて、今回のご相談は、とーってもチャーミングな先輩からです。

*****

のぶえちゃん、こんにちは。どうぞよろしくお願いします。



お米を筆頭に炭水化物が我慢できません。

いろんな数値が気になる年頃ですので、夜遅くには控えよう、少し軽めしようなどと思うのですが、いざ白いごはんを目の前にするとフラフラとお茶碗一杯によそってしまいます。20時以降白米は我慢(この時点で結構甘い)、というルールを作ったところで、「みんなで食べる時は良い事にする」、「ふるさとのおにぎりはOK」。などと簡単に覆すルールを作ってしまうのです。自分の意思の弱さにほとほと呆れます。助けてください。



あと、もうひとつ、夢占いみたいな相談で恐縮です。

身長を172センチにしてあげるよ、といわれたらどうするべきでしょうか?

今150センチぴったりです。中途半端にあと1、2センチ伸びるのだったら今のままで良いと思っているのですが、172センチとなると話は別です。そうなった時の想像も3か月に一度くらいはします。満員電車で頭や肩に肘を置かれて休憩されることもなくなるでしょう。何がしかのギフトか、または科学の飛躍的な進歩でそんな日が来ないとも限りません。慣れ親しんだ150か老後を172で生きるのか。万が一のその日にあたふたしないようにアドバイスをいただきたいのです。

佐藤真弓さん(女優)

*****

もう、このご相談を目にした、真弓さんの知り合いの方々でしたら、先ほどの私の魂の叫び、

「出会いだらけだって、できないものはできないのよーーーーー!!!!」

と同じくらいの圧と音量でこう叫ぶでしょう。

「真弓さんは、そのままでいてーーーーー!!!!」

つまりは、炭水化物をあまり制限してほしくないですし、身長もいまの身長でいてほしいのです。それが、真弓さんの素敵さなのですもの!

いやしかし、これはあくまで我々外部からの真弓さんへの願望であって、ご本人の気持ちではありませんものね。
なるべく真弓さんが今後もご飯を食べたくなるように、なるべく真弓さんが今後も高身長に憧れないように、こっそり仕向けていけたらと思います。
これを読んでいるみなさんも、ご協力お願いいたします。
「※」このマークを出したら、「そうだ!そうだ!」と言ってくださいね。

つい最近聞いたのは、食べ物を一口食べるごとに「年齢の数だけ咀嚼する」必要があるそうです。我々だったら一口たべるごとに40ウン回咀嚼しなければいけません。少しの期間やってみましたが、無理でした。
真弓さんも、どうしてもお米を食べたくなってしまったとき、とりあえず年齢の数だけ咀嚼法を試してみてください。
でもきっと、無理です…。

「青色は、食欲を減退させる」らしいですね。
いますぐ、青いサングラスを購入してください。
お米やパンを見つけたら、すぐさまそれを掛けるのです。
でもきっと、外して食べちゃうと思います。

「冷めたお米を食べる」
お米は、冷めることで「レジスタントスターチ」という成分が発生し、食物繊維と同様の働きをするのですが、胃や小腸で消化されないため、でんぷんなのにエネルギーになりにくい特性を持っているそうです。
温かいお米ではなく、冷めたお米を食べるようにしてください。
でもきっと、すぐチンしちゃうと思います。

いっそのこと、お米を職業に取り入れてみてはいかがでしょうか。
お米マイスター、お米アドバイザー、お米ソムリエ、ごはんソムリエ
、米・食味鑑定士、ごはん検定~めしけん~
などの資格があるようです。
でもきっと、勉強している間にお腹が空いて、お米をたべちゃうと思います。

もうきっと、お米と真弓さんの間には、何度も輪廻転生する間に何かしらの縁があるのでしょう。もしかしたら、身体の見つけにくい場所に「※」印の痣があるかもしれませんよ。

※の合図で「そうだ!そうだ!」言ってくれたみなさま、ありがとうございました。
身長に関するご相談にまいります。引き続き、よろしくお願いいたします。


平均身長が高い国ランキング1位は、オランダだそうです。
女性は、平均身長171cmほどとか。真弓さんが想いを馳せる身長に近いですね。

実は約200年前までは、オランダはヨーロッパの中では身長が低い国だったそうです。その後、現在に至るまでの急激な身長の伸びは世界各国と比べても類がなく、オランダだけ。その理由は、

・酪農国なので乳製品(牛乳やチーズ)を多く摂取しているため。
・日射量の少ない寒い地域に住む民族のほうが体が大きくなると言われているため。

などの説があるようです。
真弓さん、至急、寒く暗い場所で牛乳を飲み、チーズを食べるのです!
そしたら170cm前後が体験できます!

しかし、約200年かかります。
安心してください。200年生きない限り172cmになることはないでしょう。

我々も、あと数十年すれば立派なおばあちゃんになってまいります。なんなら、その足音もヒタヒタと聞こえてきてはおります。

もうおばあちゃんに向かうしかないこの先、いかに素敵なおばあちゃんになるか…ということが大事です。

真弓さんは、現段階でかなりかわいいおばあちゃんになりそうな素質が満載です。そのためには、いまの真弓さんのビジュアルも大きな要素です。
どうか、真弓さんは150cmの方を選択してください。

150cmの真弓さんが縁側にちょこんと座り、お茶でも飲んでいようものなら、近所の人たちがやたらとおにぎりやら、お菓子やらを持ってくるでしょう。
真弓さんが、美味しいものを美味しそうに食べてくれることで、周りの人を幸せな気持ちにしてくれるのです。
※※※※※

微妙な才能ですが、15年くらい先の地味な社会の進歩をひっそりと当てる能力を持ち合わせています。
小学生の頃、「21世紀を描く」という図工の課題で、同級生たちが空中歩行や、宇宙旅行などの壮大な未来を描いていた時、自動販売機でなんでも買えるようになる地味な絵を描いて通信簿を下げた実績があります。
実際いま、自販機でなんでも買えるではないですか!
あてにならん通信簿め!

だから、大丈夫。
満員電車で休憩されてしまう件については、今後の超高齢化社会、いつか高齢専用車両なるものができるのではないかと予測します。真弓さんが休憩場所になるようなことはありません。

真弓さんがかわいらしいおばあちゃんになる頃、私もおばあちゃんです。
そうなっても、一緒に美味しいものが食べられてたらいいですね。


ラッキー待ち受け
池谷コラム
ご相談内に出てきました、演劇人御用達のお店、下北沢「ふるさと」の名物おにぎり。売り切れてしまっては困るので、早い時点で注文しておくのがセオリーです。出来立てのあつあつ感、なんとも言えない塩気、ふんわりしながらくずれない握り感、何の具が入っているかわからないドキドキ感、添えられてるきゅうりの漬物のナイスアシスト…すばらしいポテンシャルのおにぎり。そしてそれを掲げる真弓さんの画像が見つかりました。
美味しいごはんに出合えるラッキー待ち受けです。

■佐藤真弓さんの今後の予定
青蛾館
男装音楽劇「宝島」
作:寺山修司
振付・構成・演出:スズキ拓朗
2018年2/3~11
東京芸術劇場シアターウエスト

猫のホテル
「秘境温泉名優ストリップ」
作・演出:千葉雅子
2018年4/3~11
こまばアゴラ劇場


【筆者プロフィール】
pro_iketani 

池谷のぶえ
いけたにのぶえ94年より04年の解散まで劇団「猫ニャー」の劇団員として活動。解散後は、ケラリーノ・サンドロヴィッチ作品、NODA・MAP、蜷川幸雄演出作品など数多くの舞台に出演。

[出演情報]
【映画】 
「DESTINY 鎌倉ものがたり」(監督・脚本・VFX:山崎貴)絶賛公開中!




『えんぶ8号』

kick shop 

nikkan engeki